競馬必勝法詐欺はなぜ起こる?事例5つと騙されやすい人の特徴3つ

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ネット上にある競馬必勝法や予想サイトのたぐいは、詐欺行為を行っているところが多いのが現実。利用する際は、注意しなければなりません。

実際、大元のJRAだけでなく、さまざまなサイトで注意喚起がされているくらいなので、どれだけ大きな問題になっているかお分かりいただけるでしょう。

それでも被害に遭う人が少なくないわけですが、この記事では実際にあった手口と詐欺に騙されやすい人の特徴を紹介していきます。

実際にあった競馬必勝法の詐欺事例5つ

最初にも書いたように、競馬必勝法や予想サイトの詐欺被害に遭って大金を失う事件は後を絶ちません。詐欺被害に遭う人は中高年~年配の人が多く、詐欺容疑で逮捕されるのは若い人が比較的多いようです。

ここでは、実際にあった競馬必勝法の詐欺事例の中から、逮捕に至った事例を5つ紹介していきましょう。

競馬必勝法の情報提供で3,400万円の詐欺被害

競馬必勝法の情報提供で3,400万円の詐欺被害
これは昨年2019年に大阪であった事件で、80代の女性が合計3,400万円を騙し取られました。

あらましは下記のとおりです。

「当選したので、9万円支払えば当選金を振り込みます」という連絡があった。

振り込むと競馬情報会社社員を名乗る人から複数回、「競馬必勝法を提供するので、情報料として振り込んでほしい」という電話があり、計61回に渡り3,438万円を振り込んだ。

被害者の方が80代の女性なので、言われるがままに振り込んでしまったことで、ここまで被害額が大きくなったと推察されます。

「競馬の必勝法を教える」といって約850万円の詐欺

約850万円の詐欺

62歳の女性に電話で「情報料を支払えば、確実に勝てる必勝法が手に入る」などと言って、30万をだまし取ろうとした疑いで3人が逮捕された事件です。この他にも同じ内容で「競馬必勝法を買わないか」という電話をしており、少なくとも数十人から合計約850万円以上をだまし取っていたと見て捜査がありました。

こういった競馬必勝法詐欺は、最初はメールから勧誘がはじまります。しかし、証拠が残りやすいメールはあまり好まないため、最終的には電話で勧誘を行う傾向です。

もし、「競馬必勝法を教える」といって電話がかかってきたら、注意してください。

「競馬必勝法を教える」などの名目で約860万円の詐欺

約860万円の詐欺
競馬必勝法詐欺では、職業に関係なく騙される人が出てきます。

これは近畿地方のある都市の公務員が、「競馬必勝法を教える」もしくは「勝馬の情報を教える」という名目で勧誘され、最終的には約860万円の詐欺被害に遭いました。

この事例では、「勝つ馬が決まっているレースがある。これに投票すれば、配当金が得られる」もしくは「配当金を得るために、その1割の金額を振り込んでほしい」などと書かれたメールに従い、4回も約140万円を振り込んだようです。

その後も「競馬必勝法を提供する」または「会員になれば2億円稼げる。手数料を払わないといけない」と言われ、約720万円あまりを振り込んだことで合計約860万円もの被害に遭いました。

「お金を振り込めば」という電話で約476万円の詐欺被害

約476万円の詐欺被害
これは巧妙に仕組まれた詐欺事例です。

「1日何レースか八百長レースがあり、お金を振り込めばその情報(必勝法)を教える」という電話があり、そのオッズを見ると2000倍近くあったので、それを信じて1ヶ月間で競馬必勝法の情報提供料として約476万円を振り込みました。

競馬必勝法の情報提供料名目で総額約29億円にのぼる詐欺

総額約29億円にのぼる詐欺
「勝馬を高い確率で的中させる」もしくは「絶対勝つ競馬必勝法がある」という言葉で、お金をだまし取ったという事例があります。

これは、競馬情報を提供する意思・能力もなく、予想もしていないにもかかわらず、虚偽の必勝法情報を記したチラシを送ったり、メールや電話で案内することで計68万円、その他同じ手口で約190万円の詐欺をはたらいたというものです。

これは1人ではなくグループで行われたもので、その総額は全国で約29億円にものぼるというものでした。

競馬必勝法の詐欺に引っかかる理由3つ

上であげた競馬必勝法詐欺の手法5つに共通していえるのは、「1回でやめていたら詐欺被害も小さくて済んだかもしれない」ということです。これは競馬必勝法の詐欺に限らず、どの詐欺手法でも同じことがいえます。

なぜか、多くの人が言われるがままにお金を振り込むことで、気がつけば多くのお金を失うという結果になっているわけです。

以下では、なぜそのような結果になってしまうのかについて、その理由を3つあげていきましょう。

競馬に詳しくない

競馬に詳しくない
まず、こういった競馬必勝法の詐欺に引っかかってしまう人の特徴にあるのは、競馬に詳しくない初心者の人を狙っているという点です。

「競馬必勝法や的中馬券の情報を教える」と連絡してくる人というのは、まず単勝や複勝というのは言ってきません。まれに万馬券になることはあっても、さほどうまみがないからです。

では、どういったものを狙ってくるのかというと、3連単などのような高額配当が出やすいレースに的を絞っています。

3連単は、インターネット投票限定馬券のWIN5を除くと、もっとも高額配当が出やすく、数万円~数十万円、下手したら数百万円~数千万円以上になることもあるほどです。

単純な的中率は0.02%ほどなので、1点買いではまず的中する確率が低すぎるということはある程度経験があれば誰にでもわかります。また、穴を中心にボックス買いをしてもまず当たる確率が低いことも承知しているでしょう。

初心者はそういうことを知らずに騙しやすいということもあり、知らなさそうな人に「おいしい競馬必勝法がある」といって勧誘するのです。

電話で勧誘を受けている

電話で勧誘を受けている

先にも少し触れたように、競馬必勝法などで詐欺行為をしようとしている人は、全体的にメールを嫌いやすい傾向にあります。これはどうしてかというと、送信履歴からバレやすいためです。

そこで使うのが電話。使った電話を解約すると足がつきにくいことから、勧誘してお金を騙し取るとその電話を捨ててしまいます。

また、メールであれば案内URLをクリックする前などに考える間ができますし、それを誰かが見ていたら「これ詐欺だよ」などと言って止める可能性があります。しかし、電話だとそういった間を与えることなく騙すことができるので、電話を好むのです。

定年間際の人や高齢者が騙されやすい

定年間際の人や高齢者が騙されやすい

これも競馬必勝法の詐欺に限った話ではありませんが、まずは高齢者が騙されやすい傾向にあります。なぜかといいますと、高齢者は判断能力も鈍くなってしまいがちで、言われるがままに振り込みを行ったり、契約書にサインをしやすいためです。

また、競馬必勝法関連では、定年間際などの中高年の人が詐欺に引っかかる事例があります。中高年の人の場合は、「負けた分を何とかして取り返したい」もしくは「家族に無断で使ってしまったお金を回収しなければ」などの思いがあり、わかっていても詐欺に引っかかってしまうのです。

まとめ

この記事では、競馬必勝法の詐欺に引っかかった・逮捕された事例からどのような手口があるか、引っかかってしまう理由についてそれぞれ紹介していきました、

逮捕された事例や理由を見ていくと、競馬必勝法を提供している会社が使っている手口、詐欺に引っかかりやすい人の特徴、使われている手段はおおむね共通していることがわかるでしょう。

競馬必勝法の詐欺も巧妙化しており、グレーゾーンの部分もあるものの、やはり騙されないことが一番です。

業者が使う手口を知って、騙されないように注意していきましょう。