競馬詐欺の手口2つと被害に遭った際に相談できる方法4つを紹介

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競馬予想などの情報を提供する情報提供会社や競馬必勝法で詐欺被害に遭っている人・被害総額は年々増えています。しかし、泣き寝入りしている人も多いようです。その理由としては、「どこに相談すればいいのかわからない」という点が多いと考えられます。

そこで、この記事では競馬に関する詐欺の種類とその特徴、どこに相談すればいいのかなどについて解説していきます。ぜひ、この記事を参考にしてみてください。

競馬詐欺被害の種類は2つ。その手口と特徴とは?

競馬詐欺被害とは、大きく分けると2つあります。

  • 競馬情報詐欺(予想など)
  • 競馬予想ソフト詐欺

以下でそれぞれ詐欺における手口と特徴について解説していきます。この2つの手口は競馬詐欺の中でも王道で、多くの人が騙される事象が起きています。

どうしても大金が掛かっている競馬などでは、詐欺など犯罪が発生しやすいですが、この内容を知らない人と知っている人では、騙される確率は大幅に変わるでしょう。

その点も踏まえて、しっかり確認してください。

競馬情報詐欺(予想など)

競馬情報詐欺

競馬の予想情報などを提供する会社による詐欺行為で、「競馬情報詐欺」とも呼ばれます。

こういった会社は、インターネットサイトやメールマガジン、ダイレクトメール、スポーツ新聞、競馬雑誌などを使って会員を募集するのがその特徴です。その他にも、過去に万馬券が出たレースの的中馬券画像もしくは万馬券的中証明書の画像を添付して、いかにもその予想会社が的中させたようなことを説明するという特徴があります。

こういった予想会社は、「JRA公認の予想会社だから確実に的中する」もしくは「的中確実!外れたら全額返金保証」などという誘い文句で、三連単などなかなか当たりにくい馬券の万馬券情報を出してくるのです。

そのほとんどは的中することがないため、結果として何十万円~数百万円単位の情報提供料だけが出ていくことになります。

競馬予想ソフト詐欺

競馬予想ソフト詐欺

競馬予想ソフトというのは、文字通りレースの予想を勝手に予想してくれるソフトです。

こうしたソフトを販売する会社は、「過去のレースや馬場の状態などのデータを入れ、統計学を交えた手法で順位を予想。馬券を購入して、トータルで収益を上げることのできる必勝法がある。それを実現するためには、このソフトが必要」などの誘い文句で購入させようとします。

プランはリターンに応じていくつかのパターンを業者が定めており、競馬予想ソフトの値段は数十万円~数百万というのがその相場です。

ほとんどのソフトは中にはいっているデータを使って予想を行うだけとなっていますが、中には馬券をネット投票で自動購入できるようになっているものもあります。しかし、ほとんどの場合はたまに当たることはあってもほとんど的中しないので、最終的にはマイナス収支になります。

それでクレームをつけると、さらに高額プランで契約させようとするのです。

競馬関連の詐欺は法律違反の可能性が高い

競馬関連の詐欺は法律違反の可能性が高い

競馬詐欺の特徴は、「結果が決まっているレースがある」もしくは「確実に勝つことができる」などの甘い誘い文句を使い、高額な情報料を騙し取る点です。

手法はいろいろとありますが、おおむね共通している部分もあるため、JRA(日本中央競馬会)も公式サイトで注意喚起を行っています。

こうした詐欺行為を行っている競馬予想会社などは、ほとんどの場合で明確な根拠がなくかつ高額な情報を販売していることから、下記4つの法律に違反している可能性があるでしょう。

消費者契約法第4条1項1号 不実告知

重要事項について事実と異なることを告げること。当該告げられた内容が事実であると誤認して契約した場合、その契約を取り消して返金を要求することができる。

引用元:消費者契約法

消費者契約法第4条1項2号 断定的判断の提供

(勝てるかどうかなど)見通しが難しいものについて断定的判断を提供して、消費者がその断定的判断を事実と誤認して契約したといえる場合、その契約を取り消し返金を要求することができる

引用元:消費者契約法

民法第95条 錯誤無効

「意思表示に対応する意思を欠く錯誤」に基づく錯誤で、その錯誤が法律行為の目的および取引上の社会通念に照らして重要なものである場合、その契約を取り消し返金を要求することができる。

引用元:民法

民法第96条 詐欺

詐欺または脅迫による意思表示は、これを取り消して返金を要求することができる

引用元:民法

これらの法律に違反している可能性があることを念頭に置き、競馬情報の詐欺会社に対してしっかりと相談・対応することを心がけましょう。

競馬詐欺被害に遭ったら然るべき場所に相談すべき

もし競馬詐欺被害にあった場合、多くの人が最初に考えるのは「これまでに払ったお金を返金してほしい」ということではないでしょうか。

「もしかしたら騙されたかも」と思ったら、ほとんどの人は電話もしくはメールを使って競馬予想会社やソフト開発会社に「お金を返してほしい」旨を連絡していることと思います。

ただ、ほとんどの予想会社では「情報の性質上、的中しないことを理由とした返金は受けつけない」と書いてあるでしょう。これを盾にとって返金に応じないことは容易に想像できます。そこで出てくるのが、専門家などの諸機関。

たとえば、下記のようなものがあります。

  • 国民生活センター(消費者センター)
  • 警察
  • 司法書士
  • 弁護士

ただし、利用する側がどのような目的で専門家に頼るのかによって、どこに相談すればいいのかが異なります。ここでは、それぞれの特徴を説明した上で、どのような基準で選ぶべきかを解説していきます。

国民生活センター(消費者センター)は無料で相談できる

国民生活センター(消費者センター)は無料で相談できる

国民生活センター(消費者センター)は無料で相談できることから、多くの人が利用します。しかし、詐欺案件はよほどの証拠がないと立件が難しいため、なかなか動いてもらえにくい可能性もあるでしょう。

ただ、業者の居所(住所・電話番号など)がわかっている場合は返金の連絡をしてくれるケースもありますし、同じ案件で相談している人がいれば情報共有もできるので、その点もメリットといえます。

警察は刑事裁判にしたいときに相談

警察は刑事裁判にしたいときに相談

結論からいうと、「これまでに払ったお金を返してもらいたい」と思ったときは、警察に相談しても応じてもらえません。

その理由としてあげられるのが、民事不介入の原則です。

競馬予想会社を相手に「お金を返してほしい」と訴え、返金を求めるのは民事裁判の領域となります。警察はあくまでも刑事事件に対して対応する場所なので、民事事件には介入しない、すなわちノータッチ案件となるのです。

そのため、警察に相談するのであれば、競馬予想会社などの情報会社を詐欺などで訴え、掲示三番で有罪にしたいと思った場合ということになります。

ただ、警察と弁護士に並行して相談するというのは、相手にとって有効な手段といえるでしょう。相手に伝える必要はありませんが、返金交渉を行う際はそういったことも視野に入れてみましょう。

司法書士は140万円までであれば対応可能

司法書士は140万円までであれば対応可能

司法書士は基本的に登記や供託業務を行う資格者のことですが、競馬関連の問題に対して裁判などの手続きに協力してもらうことが可能です。司法書士の中でも法務省が実施する一定の研修を受けて認定されることで、簡易訴訟代理等関係業務を行うことができる司法書士がいます。

こうした司法書士は「認定司法書士」と呼ばれ、140万円までの民事事件(簡易裁判所に限定される事件)における相談・交渉・和解の代理人業務に対応することが可能です。

もし困ったときは、相談してみるのも1つの選択ではないでしょうか。

ただし、控訴や上告された場合は司法書士では対応できないため、その場合は弁護士に切り替える必要があります。そうなると、弁護士費用も掛かってしまうので、注意しましょう。

また、返金要求をしたい業者の所在がつかめない場合は、話がこじれることで更に費用がかかる場合もあるので注意が必要です。

弁護士は費用がかかりやすいがすべてのケースに対応が可能

弁護士は費用がかかりやすいがすべてのケースに対応が可能

もっともスムースに動いてくれる可能性が高いのが弁護士です。しかし、弁護士にしても、先に書いた司法書士にしても少額の場合は請け負ってもらえない可能性があります。

また、弁護士も企業法務に強い、刑事訴訟に強い、民事訴訟に強い、借金問題に強いなどのように細分化が進みつつあるので、そういった点にも注意が必要です。

その他、法律事務所によっては30分5,000円などのように初回から相談料を取るところもあります。ただし、最近は初回相談無料、着手金も依頼を受理した時点では発生せず、成功報酬(返金があったときの報酬)のみというところも多いようです。

ただし、いずれにしても費用がかかることは間違いありません。消費者生活センターへ相談に行き、詐欺にあった経緯を相談して、弁護士への相談が適切だと判断されてからのほうがいいかもしれません。

まとめ

この記事では、競馬予想会社などで詐欺被害に遭った場合の相談方法などについて紹介しました。

現状では泣き寝入りする人も多いようですが、被害に遭った人が相談することで情報が共有され、解決に至るケースも多いでしょう。詐欺は犯罪行為なので、積極的に相談するようにしましょう。