競馬詐欺は年々増えており、被害にあう方も増加傾向にあります。しかし普段目にするニュースでは、競馬詐欺で逮捕される事例はなかなか見かけないと感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は競馬詐欺が逮捕されにくい理由について、違法と認められるためのポイントや返金してもらう方法を解説いたします。
自分は大丈夫と思っている時こそだまされやすいもの。この記事を参考に、競馬詐欺について意識してみてはいかがでしょうか。
目次
競馬詐欺が逮捕されるニュースが少ない4つの理由とは?
競馬詐欺は年々増えているのも関わらず、逮捕に至るまでが難しいとされています。
その理由は主に以下の4つが原因です。
- 詐欺罪を立証するのが難しいため
- まれに的中することもあるため
- すぐに撤退する業者が多いため
- 弁護士に依頼するのはお金がかかるため
ここではこの4つの原因について詳しく解説していきます。
理由①:詐欺罪を立証するのが難しいため
競馬詐欺が逮捕されにくい理由の1つとして「詐欺罪を立証するのが難しい」ということが挙げられます。競馬情報会社側は逮捕されないように巧妙な手口を使ってきますし、それによって証拠が残りにくくなっているからです。
そのためいくら被害者がだまされたと訴えても、証拠がない限りは詐欺罪として立証できず、警察も動くことができません。
詐欺罪を立証したい場合は、競馬情報会社とのやりとりをした証拠を残しておくことが大切です。
理由②:まれに的中することもあるため
競馬はギャンブルなので、ベテラン競馬ファンでも予想が外れることがありますし、素人がデタラメに予想しても的中する可能性があります。
そのため競馬情報会社がウソの情報を高額で売りつけてきたとしても、まれに的中することがあり、詐欺罪とは言えなくなってしまうのです。
ここが競馬の難しいところで、当たれば優良な競馬情報会社、外れれば悪質な競馬情報会社と一概には言えません。競馬予想を販売することは違法ではありませんので、予想が外れただけでは詐欺とは言えないのです。
理由③:すぐに撤退する業者が多いため
悪質な競馬情報会社は、だました相手からのクレームが増えてくるとサイトを閉鎖したり、作り直して活動を再開します。そのため、詐欺を行っている競馬情報会社はサイトの運営期間が短く、すぐに撤退するのが特徴です。
ネット上で悪い口コミが増えてしまっても、すぐに撤退して新しいサイトを作ることから、警察が追いきれないという理由もあります。
理由④:弁護士に依頼するのはお金がかかるため
万が一競馬詐欺の被害にあってしまった場合、お金を取り戻すには弁護士に相談する必要があります。
しかし弁護士に依頼するのにもお金がかかるため、泣き寝入りしてしまう人が多いのも現状です。
数百万、数千万円という金額であればお金を取り戻したいですが、数十万円ほどの金額だとせっかく取り戻しても、かかった弁護士費用でマイナスになる可能性もあります。それならば勉強代だと思って諦める、という人が多くなるのも頷くことができます。
悪質な競馬情報会社が違法と認められるポイントは3つ
競馬情報会社が競馬予想を販売することは違法ではありません。
詐欺などの罪で逮捕に至るには、以下の3つのポイントが重要です。
- 誇大広告を表示
- 虚偽の表示
- 二重価格表示
ここではこの3つのポイントについて詳しくご紹介いたします。
誇大広告を表示したことによる景表法違反
誇大広告とは「内容を大げさに伝える広告」のことです。
「絶対当たる」「必ず儲かる」といった大げさな宣伝文句は誇大広告に当たります。競馬は100%当たるということはあり得ません。そのため「的中率100%」「誰でも当たる」という宣伝文句は景表法違反になるのです。
また、大げさな宣伝文句で利用者をだましているということも考えられるので、詐欺罪に当たる可能性も考えられます。大げさな広告を使った競馬予想サイトには充分注意しましょう。
虚偽の表示を行った詐欺罪
虚偽の表示とは、競馬予想サイトなどでウソの情報を表示していることです。
- このサイトの予想で5000万円的中させた人がいます
- このサイトを監修しているのはプロ予想家の◯◯さんです
- 八百長レースの情報が出ました
といった情報が本当であれば良いのですが、ウソだった場合には利用者をだましていることになり、詐欺罪として違法行為になります。
上記のような虚偽の情報は、電話営業で伝えられることが多いため、証拠が残りにくいのが問題です。
競馬情報会社からの電話でこのような内容を伝えられたときには注意しましょう。
二重価格表示による景表法違反
競馬予想サイトでよくあるパターンとして、違法な二重価格表示が挙げられます。
二重価格表示とは「期間限定で◯◯円」「今なら50%オフ!」という表示をしているのにも関わらず、定価で販売していた事実がないことを指します。この表記の仕方は利用者に安いと感じさせて購入させる手口で、利用者を騙していることになるため、景表法違反となるのです。
長期間半額セールなどを行っている競馬情報サイトには十分注意しましょう。
競馬詐欺の被害にあった場合に返金してもらう方法とは?
万が一競馬詐欺に被害にあった場合、どのような方法で返金してもらえば良いのでしょうか。実際には返金してもらうことは難しいとされていますが、さまざまな方法でアプローチすることで返金してもらえる可能性は高くなるといえます。
ここでは返金してもらうための4つの方法について、ご紹介いたします。
競馬情報会社との交渉
返金してもらうための方法の1つは「被害にあった競馬情報会社と交渉する」ということです。何度もしつこく交渉することで返金してもらえる可能性はありますが、相手もお金をだまし取る目的で行動しているため、自分1人の交渉では難しいのが現実です。
被害にあった場合には自分だけで対応せず、行政や弁護士など、第三者を入れて対応するのが良いでしょう。
消費者生活センターに相談する
競馬詐欺の被害にあった際には、消費者生活センターへの相談もおすすめです。
消費者生活センターの利用は無料でできますし、競馬情報会社の手口が悪質だった場合には自分の代わりに交渉を行ってくれたり、相手へ向けて指導を行ってくれたりする場合もあります。
競馬情報会社は他にも詐欺を行なっているため、後ろめたい気持ちから第3者機関が出てくることですぐに返金に応じてくれる可能性があります。「返金して欲しいけどあまり大ごとにしたくない」という方にはとくにおすすめです。
弁護士に相談する
最も効果的なのは「弁護士に相談する」という方法です。
弁護士は法律のプロで法的な拘束力を持っているため、被害総額が大きい人ほど弁護士に依頼するのが良いでしょう。
弁護士に依頼するにはお金もかかりますが、弁護士によっては着手金無料という人もいます。自分に合った弁護士を探してみてはいかがでしょうか。
法テラスに相談する
「弁護士にお願いしたいけれどお金がネック」という方におすすめなのが法テラスです。
法テラスは国が運営している法律関係の相談窓口ですので、相談だけであれば無料で弁護士に相談することができます。
実際に弁護士に依頼するとなった場合でも、弁護士費用を分割で支払うことができるためお金に不安がある方におすすめの方法です。
まとめ
今回は競馬詐欺が逮捕されにくい理由について、違法と認められるためのポイントや返金してもらう方法を解説しました。
競馬詐欺が逮捕されにくい理由は以下の4つになります。
- 詐欺罪を立証するのが難しいため
- まれに的中することもあるため
- すぐに撤退する業者が多いため
- 弁護士に依頼するのはお金がかかるため
競馬詐欺で逮捕するために何より大切なのは「証拠を残すこと」です。
万が一被害にあってしまった場合、返金してもらう方法もご紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてください。