競馬ファンの方は、競馬で詐欺を行なっている会社があるのをご存知でしょうか。なかには被害にあった経験がある方もいるかもしれません。
競馬で詐欺を行なっているのは多くが「競馬情報会社」と言われるもので、競馬予想から算出された買い目を有料で販売しています。
今回はこの競馬情報会社について、実際に逮捕者が出た事例や逮捕されるための条件、だまされてしまった時の対処法をご紹介いたします。
「これから自分も被害にあうかもしれない」と不安な方はぜひ参考にしてみてください。
目次
競馬情報会社が逮捕された5つの事例
詐欺を行う競馬情報会社はいくつか存在しています。しかし逮捕に至るのはごくまれであると言われていますが、これまでに逮捕者が出ているのも事実です。
ここでは競馬詐欺によって逮捕された5つの事例についてご紹介していきます。
事例①:ウソの競馬情報を配信していた競馬情報会社
この事例は、10年間にわたってウソの競馬予想を競馬ファンへ提供し、情報料をだまし取っていたとして会社関係者13名が逮捕された事件です。
このような会社は未だに多く、時代が変わった今でも増え続けています。
よくある手法で「プロの予想家が監修した競馬情報です」などととウソをついて信用させ、数多くの競馬ファンから情報料をだまし取っていました。被害にあった競馬ファンは約4万人、被害総額は30億円と言われています。
予想が外れたというクレームに対して「監修する人が事故にあってしまい、十分な検証ができなかった」と説明するなど、極めて悪質な事例です。
ぜひこの手の詐欺には気をつけてください。
事例②:購入代行を行なっていた競馬情報会社
この事例は「競馬の高額配当金を受け取ることができる」などとウソをつき、現金をだまし取ろうとして逮捕された事件です。逮捕された容疑者5名は競馬予想や馬券の購入を名目にし、手数料として高額な金額を請求していました。
被害者は20名、被害総額は5千万円となっています。このグループはもともと振り込め詐欺の疑いがかけられており、警視庁の捜査で今回の競馬詐欺も発覚したのです。
実際には競馬情報会社は存在せず、マンションの一室を拠点にして詐欺を行なっていたことがわかっています。
事例③:競馬詐欺で再逮捕の競馬情報会社
この事例は、競馬情報会社の社員が70代の男性に対し「中央競馬の八百長レースがある」とウソのダイレクトメールを送り、情報料をだまし取ったというものです。この競馬情報会社の関係者4名はすでに逮捕され公判中でしたが、今回の事例でさらにこの会社の社員が1名逮捕されました。
この競馬情報会社は、代表がこれまで3度逮捕されていること、架空の団体名で20もの口座を開設し、情報量をだまし取っていたということなどから悪質な詐欺として逮捕に至っているのです。被害総額は10億円にものぼります。
事例④:運営会社を利用した詐欺
この事例は、競馬の勝ち馬情報を教える情報料として多額の金をだまし取ったというもの。
これまでの事例と異なるのは、この競馬情報会社が運営する副業紹介サイトに登録した人の個人情報を利用した点です。
副業紹介サイトに登録した人へ電話をかけ、200人から情報料をだまし取っています。
被害にあったある男性は4回に分けて250万円もの金を振り込んでおり、被害者全体の被害総額は約1億円にもなるとされているのです。事件が発覚したのは被害者女性の「お金が戻ってこない」という相談がきっかけでした。
事例⑤:当たり馬券をだまし取る詐欺
この事例は競馬情報会社ではありませんが、当たり馬券をだまし取ったとして60代の男性と70代の男性が逮捕されています。この2人は場外馬券売り場で20代の男性に声をかけ「当たる馬券を買ってくる」「情報を入れる知人がいる」などとウソをつき、8万3000円に換金できる当たり馬券を奪った疑い。
20代男性はだまされたことに気付いておらず、周囲で見ていた男性が「だまされているのでは?」と110番通報したことで発覚しました。
警察が防犯カメラを確認したところ、2人は馬券を購入する様子がなかったことから、当たり馬券を奪うために被害者男性をだましたとして逮捕に至ったのです。
悪質な競馬情報会社が逮捕されるための条件とは?
悪質な競馬情報会社が詐欺を行なっていても、逮捕に至るのは難しいとされています。
その理由は以下の2点にあります。
- 「何が詐欺に当たるのか」を証明するのが難しい
- 詐欺の証拠が残っていることが少ない
競馬はギャンブルであるため、必ず当たるということは100%あり得ません。
そのため高いお金を支払って買い目の情報を買い、その情報が外れていたとしても「競馬は100%的中することはありませんよね」と言われれば反論ができないのです。
さらに、だまされた時の証拠が残りにくいことも、逮捕が難しい理由の1つになっています。
では、詐欺を行なっている競馬情報会社が逮捕されるためには、どのような条件を満たしている必要があるのでしょうか。
重要なポイントは以下の2点です。
- 相手にだます意図があり、結果としてだまされてしまった
- だまされた結果、財産を失ってしまった
※財産とは、金銭だけではなく住所や電話番号といった個人情報も含まれます。
この条件は最低限の条件になりますので、合わせて証拠などが必要になってきます。相手から送られてきたメールや、通話の録音があると良いでしょう。
競馬情報会社にだまされたときの対処法
万が一、競馬情報会社にだまされてしまった場合には2つの対処法があります。
新しい被害者を出さないためにも、できるだけ早い行動が重要になりますので意識しておきましょう。
証拠を残しておく
競馬情報会社にだまされてしまった場合、まずは証拠を残しておきましょう。メールや通話の音声のように会社とやりとりしていたもの、詐欺の証拠となるものが残っているとだまされたことが証明されます。
競馬情報会社もできるだけ証拠を残さないように行動するため、小さなものでも証拠となる可能性があります。
弁護士に依頼する
自分の力だけで対処するよりも、弁護士に依頼する方法が確実に対処できます。弁護士は法律のプロですので、費用の返還をしたい場合などは相談してみると良いでしょう。
その場合、示談金という名目で返金がされる可能性もあります。
弁護士に相談するお金が用意できない、という方は、最寄りの法テラスで相談するのがおすすめです。法テラスでは無料で相談ができ、場合によっては弁護士費用などを肩代わりしてもらうことができます。
競馬情報会社が逮捕されたら返金される?
実際のところ、競馬情報会社が逮捕された場合でもだまし取られた費用は戻ってこない場合が多いのです。
まず返金を要求したいのであれば、民事裁判で競馬情報会社を訴えることになります。その結果として返金命令が下る場合もありますが、会社にお金がない場合は返金ができません。
- 逮捕されたらお金が戻ってくるわけではない
- 裁判に持ち込んだからといって必ず返金されるわけではない
この2点をきちんと把握しておきましょう。
まとめ
今回は競馬情報会社について、実際に逮捕者が出た事例や逮捕されるための条件、だまされてしまった時の対処法をご紹介しました。
逮捕に至るまでが難しい競馬詐欺で、逮捕されるための条件は以下の2つです。
- 相手にだます意図があり、結果としてだまされてしまった
- だまされた結果、財産を失ってしまった
この2つの条件がそろっていることが重要です。
1点注意しておきたいのが、逮捕されたからといってお金が戻ってくるわけではないという事です。民事裁判を起こす必要がありますし、競馬情報会社にお金がない場合もあります。
被害にあってしまった場合には、自分がどうしたいのかを明確にし、弁護士に相談するのがおすすめです。